19歳になったTaimane Gardnerが、素晴らしいウクレレテクニックで横浜の観客を魅了した。
16歳でウクレレの天才少女として鮮烈なデビューをした彼女は確実に成長していた。
8歳から始めたストリートパフォーマンスで身につけたステージング、Don Ho氏、Shimabukuro兄弟に習ったというテクニック。
これからどのようなアーティストに成長していくのか楽しみはつきない。

新しいアルバムではヴォーカルにも挑戦している。彼女の歌声を聞いてみて欲しい。

-先日横浜で演奏を拝見しました。すっかり大人の雰囲気になられていてびっくりしました。
Taimane Gardner:ありがとうございます。 56_taimane_02.jpg

-前回のアルバム「Loco Princess」から3年ぶりのアルバム「Life~The Art&Beauty Of Being Human」が7月にリリースされましたが、前作と一番変わったところはどういう点でしょうか?
Taimane:一番違う点は、アルバムに収録した曲のうち半分を自分で作詞作曲をしたところです。

前のアルバムはインストルメンタルが多いアルバムでしたが、今回は歌も歌っています。次回のアルバムではもっとたくさん自分の曲を入れて、ボーカルの割合も増やしたいと思っています。今はまだ変化の途中にいるという感じです。

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『Life~The Art&Beauty Of Being Human』(http://8011web.com/music/)

-今回のアルバム「LIFE」に込められた想いを教えていただけますか?
Taimane:アルバムのサブタイトル、「The Art & Beauty Of Being Human」という言葉の中に大きなメッセージを込めました。人間の良いところ、人に対する尊敬、人の美しいところを「Art & Beauty」として捉えて表現しました。

-ご自身で曲も作ってらっしゃいますが、作曲する時はどのように作っていますか?
Taimane:作曲に関しては、今はいろいろなやり方を勉強している最中なんです。他のアーティストと一緒に、どう作っていこうかと試行錯誤しています。が、今はメロディーから作って、あとから曲をつけています。

-曲を作ること、ウクレレを弾くこと、歌うことの中で、今一番興味があって、好きなのはなんですか?
Taimane:良い質問ですね。曲を作った時、他のアーティストが自分の作った曲を演奏してくれて、私の曲に共感してくれるということはとてもうれしいことだと思っています。他のアーティストとのつながりができるのは大変素敵なことです。
前回の「Loco Princess」の時には歌い手ではなく、ウクレレプレーヤーとしてのアルバムだったのですが、今回のアルバムでは歌い手としても非常に楽しんでいます。歌うことがとても楽しくなってきています。

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-このアルバムの中で一番のおすすめあるいは一番想いのこもっている曲はどれですか?
Taimane:どれが1番かというのはお答えするのは難しいのですが、「Memories」、「Sun Strokes」、「Don’t Worry Baby」の3曲、その中でも「Memories」でしょうか。 この曲で表現したかったハワイは、「Real Hawaiian」、「laid back」のハワイです。ゆったりとしたハワイの空気をよく表現できた、ハワイアンフィーリングをもっている曲なのではないかと思っているからです。自分のアイディアやエッセンスをこの曲の中に一番盛り込めたと思います。

-Jack Johnsonの曲を取り上げていますが、彼の曲は好きなのですか?
Taimane:とても素晴らしいアーティストで、彼のようなアーティストになりたいという気持ちを持っているので1曲入れさせていただきました。 彼は、自分の思う道をそのまま表現し、スタートから何も変わらずに自分自身の音を持ち続けています。いわゆる「売れるPOP」に移行することなく、人に媚びずに自分のスタイルを貫いている、そういう部分をとてもリスペクトしています。

-10曲目にハワイのレジェンド、Don Ho氏へのトリビュートが入っていますが、何かエピソードはおありですか。
Taimane:ワイキキのストリートで演奏していた時に、知人の紹介で14歳の時にDon Ho 氏と出合いました。それから一緒にステージをさせていただくことになり、5年間ご一緒させていただきました。

56_taimane_03.jpg 一緒にステージに上がる中で、お客さんとのアイコンタクトやお客さんとどう接するかというステージング、エンターテインメントについていろいろと教えていただきました。今でも彼は私にとって一番のヒーローです。本当に様々なことを教えていただきました。

残念ながら昨年亡くなられましたが、私にいろいろなものを与えてくれた彼に対する恩返しの気持ちを是非伝えたかったので「I Remember You~Tiny Bubbles(Tribute to "Don Ho")」の曲をアルバムに入れました。

-ウクレレにはどのように出会ったのですか。
Taimane:昔、父のウクレレを勝手に触っていたら弦を壊してしまって、父に「弦が切れちゃった。ごめんなさい」と言いに行ったら、「レッスンを受けたいのか?」という話になって、「やってみようかな。」という話からスタートしました。 5歳の時に初めてウクレレを持った時、自分がロックスターになったような気分がしました。そのうちウクレレを演奏することで人に注目されることが気持ちよくなってきたのです。
当時は幼かったのでまだよくわからなかったけれども、周りには大人の人達がいっぱいで、そういう大人達とコミュニケーションしている自分も子どもながらに楽しかったように記憶しています。いまだに人から注目されることが大好きなので続けているのです。

-本格的にどなたかに習ったのですか?
Taimane:最初はウクレレスクールに通いました。通っているうちに、ライブやコンテストに出るようになり、コンテストで賞を取り始めました。コンテストで勝つと、いろんな方にパフォーマンスを依頼され、演奏する機会が増えていって、12~13歳の頃に音楽で食べていこうかなと考え始めました。
12歳の頃にジェイク・シマブクロのところに真剣に習いに行き、15歳でブルース・シマブクロに習いました。ジェイクとブルースの両方が先生でした。 その頃からウクレレを弾いて生活をしていくことを意識しはじめ、実際プロとして音楽をやっていく気持ちになりました。

-習い始めてすぐに「私には才能がある」と思いましたか。
Taimane:5歳の時から注目を浴びるようになって、その時は才能があるという意識があったかどうかは覚えていませんが、注目されることが楽しくて大好きでした。それが一番初めのウクレレに対する感情でした。 56_taimane_04.jpg

-ワイキキのストリートで弾き始めたのは何歳の時ですか?
Taimane:8歳か9歳からです。一度ニュージーランドに引っ越して、またハワイへ戻ってきて13歳位からストリートでまた演奏し始めました。

-8ストリングスのウクレレをお使いですね。男性でも使っている方はあまりいらっしゃいませんから、女性では珍しいと思うのですが、気に入っている理由を教えていただけますか?
Taimane:8弦は音が大きいので気に入っています。HG、LGを使い分けたりして、よりギターに近いようなサウンドにして弾きたいと思っています。ウクレレはおもちゃのようにポロンポロンと弾くのではなく、立派な楽器として弾きたいと思っていますので、ウクレレはやっぱり8弦だと思っています。

-4弦がノーマルのチューニングになっていて、それのダブルで1オクターブ下なのですか。Taimane:Gに関しては同じものが2本で、Cに関しては1オクターブずらしたりという調整の仕方をしています。

-メーカーはどこですか。
Taimane:カマカ、コアロハです。弦はウクレレのものではなく、ギターの弦を使っています。カマカは「タイマネモデル」、カスタムモデルです。

-ウクレレをハワイというバックグラウンドとは関係なく弾いているように見えましたが。
Taimane:ウクレレというのはハワイの楽器であって、ハワイから離れることはないと思いますが、自分はひとつの楽器としてプレイしていて、スパニッシュや、他のジャンルの音楽をウクレレで演奏したりして、ウクレレの新たな可能性を探している最中です。

-ステージのパフォーマンスで、観客にもよく見えるように弾いてくださいますが、それはストリートパフォーマンスで身につけたものですか。
Taimane:ステージでの弾き方はストリートとDon Ho氏の両方から学んだものです。特にDon Ho氏のステージをやるようになってからは、より腕も上がって、曲は問題なく弾けるようになりました。そこで初めてお客さんに眼が向くようになって、パフォーマンスで飛び跳ねたり、手元を見せたり、お客さんの事を考えるという意識が出てきました。

-日本でもウクレレを弾く人が増えています。特に女性がウクレレをやりたいと思った時に、例えばウクレレの選び方や、勉強の仕方などのアドバイスはありますか。
Taimane:4弦がまず間違いないでしょう。それから、いわゆるスタンダードサイズではなくて、コンサートサイズ、テナーサイズで始めると良いのではないでしょうか。 さらに腕が上がって、プロを意識するのであれば、アンプ付きを是非おすすめします。 そうすれば音が出ますし、みんなに聞いてもらえるから。 ペグが動いてチューニングが変わったりするようなものは避けたほうがいいと思います。 56_taimane_05.jpg

-日本の女性のように手が小さい場合、例えばネックは薄い方がいいとか、弦の高さは低い方がいいとか、何かアドバイスはありますか。
Taimane:ネックは薄いものがおすすめです。弦は低い方が押しやすいから良いでしょう。 ペグに巻く時に弦のスタート位置を下にしておけば弦は低くなります。試してみてください。

-今回ライブに出演して、日本のウクレレファンが増えていると感じたことはありますか。
Taimane:昨夜(※7月27日)のサムズアップでは特に感じました。ステージで小さい子どもがウクレレを弾いているのを見た時に、自分の幼い頃を思い出しました。彼らは大人になったらきっといいプレーヤーになってくれるだろうと思いワクワクします。ウクレレを立派な楽器として弾いてくれているのをうれしく思いました。腕のいいプレーヤーが日本でももっと増えてほしいと思っています。ウクレレという楽器を世界に広めてもらえたら私もうれしく思います。

-日本でもウクレレをやっている子ども達が増えているのですが、子どもにウクレレを習わせる時に、どうしたら楽しみながら上手になれるのでしょうか。
Taimane:子どもにはできるだけ小さいサイズをおすすめします。テナーよりもコンサートサイズがいいでしょう。(※Taimaneのウクレレサイズはコンサートが基準のようです)

子どもにとって好きな曲をやらせてあげることが1番なのではないでしょうか。 また、自分で曲を作ったり、編曲したりすると、自分の中で楽しむ要素が増えてきて、より楽しめるのではないかと思います。

-今後の予定、夢などを教えてください。
Taimane:世界中を旅していろんな人と会うのがとても楽しいので、今後も続けていきたいと思っています。他のカルチャーの影響を受けたり、逆に自分が影響をもたらしたりしながら交流を進めていきたいと思っています。 三味線や、古典的、原始的な楽器とのコラボレーションにも非常に興味があります。

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-ウクレレも、エフェクターなどを使うようになり、どんどん進化していますが、今後どんな楽器になっていくのかを考えることはありますか。
Taimane:バンドで演奏する時など、アコースティックだと音を出しても、他の楽器の音の反響が入ってしまい、ウクレレの音が消されてしまいますが、ウクレレもエレクトロニクスであれば、ドラムやベースの音に消されることなくひとつの楽器として主張することができます。今後更なる進化もあると思います。

-ギターに似てしまうという心配はありませんか。
Taimane:ギターに近付くこと自体は、私は良いことだと思っています。一つの楽器として認知されている証拠だと思います。

-ハワイでTaimaneさんの演奏を聴きたい時、どこへ行けば聴くことができますか?
Taimane:日曜、水曜はヒルトンハワイアンビレッジのロイヤルルアウで毎週19:30からやっています。それ以外にもいろんなところで演奏しています。
私のウェブサイト、http://taimane.com/で最新情報を更新していますので、見ていただけるとうれしいです。

-皆さんにお伺いしているのですが、ハワイでお奨めのお店や場所など教えていただけますか?Taimane:レストランなら、Roy’s Restaurant。とてもおいしいですね。 ビーチで是非行ってほしいのはワイマナロビーチです。観光客があまりいないところをおすすめしたいです。
シュノーケリングをするにはハナウマベイが一番です。週末は混んでしまうので、空いている平日や夜も結構おすすめですよ。
ウクレレショップはワイキキのパシフィックビーチホテルに入っているPUAPUAに是非行ってみてください。

-最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
Taimane:私は日本が大好きで、今回日本に来て、音楽を皆さんと共有する機会があったことに感謝しています。日本の文化を学び、いろいろなことを体験させてもらいました。ウクレレファンの方達には、これからもウクレレを弾き続けてもらいたいと思います。そして、ウクレレが楽器として世界で認知され、立派な位置づけになれるといいなと思っています。
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-ありがとうございました。

 

(2008年7月)

協 力:ポニーキャニオン
聞き手:Kaimanahila

Photo: Yoji Kurokawa ,Shu Suzuki(8011web.com)